沿革
旧吉田家住宅歴史公園にある花野井地区は下総台地の北西部にあり、東に利根川を望みます。自然や交通の便に恵まれ、周辺には古くからの人々の営みが残っております。吉田家は代々名主の役を務める大型農家で、現在ある建造物は江戸末期に築造され、その後増築を行い明治期前半にはほぼ現在と同様の構成となりました。
平成16年に市に寄贈され、平成21年11月に歴史公園として開園しました。
その後、平成22年12月に「旧吉田家住宅」が国指定重要文化財に指定され、平成24年9月には庭園及び屋敷林などが「旧吉田氏庭園」として国登録記念物（名勝）に登録されました。
鎌倉時代（中世）
柏地域を含む相馬郡一帯は、下総守護千葉氏から分かれた相馬氏一族によって支配されていました。
江戸時代（近世）
吉田家は花野井村の上層農民として、名主の役を務めており、江戸後期には「小金牧」という幕府直轄の牧場を管理する牧士に任命されました。この時、苗字帯刀、鉄砲所持および乗馬が許され、武士と同等の扱いを受けるようになりました。
また柏市史近世編によると文化２年（1805）より醤油醸造を開始します。
明治～大正時代（近代）
明治2年（1869）、牧が廃止されると跡地は、開墾事業が計画され、吉田家も大きく関わるようになります。そして、開墾事業により新たに豊四季、十余二などの村々が誕生し、今日の柏発展の礎となります。
また、吉田家は醤油醸造のほかに、北総鉄道の開発などさまざまな分野に進出しました。
大正時代（近代）〜現代
大正11年（1922）、経営権を野田醤油株式会社に売却し、醤油醸造から撤退します。昭和に入ると、当主、吉田甚左衛門は、地域振興事業を進め、阪急電鉄や宝塚歌劇団の創始者である小林一三の影響を受け、手賀沼を中心とする観光計画を展開します。その一環として、柏競馬場誘致に尽力し、昭和３年（1928）に現在の豊四季団地のある場所にオープンします。その規模は当時、東洋一とも言われました。
戦後、吉田家はスポーツ振興などに力を注ぎます。
築造の歴史
